ベネチア~パドヴァ間を流れるブレン
タ川(リヴィエラ・デル・ブレンタ)は
セレニッシマ(ベネチア共和国)の
貴族の美しいヴィッラ(邸宅)が建ち
並ぶ区域として有名です。
ベネチアが繁栄を遂げた15~16世紀に
かけて、ベネチアからパドヴァを結ぶ
ブレンタ川沿いに、自然豊かな夏の
避暑地として、ベネチアの有力貴族の
夏場の贅沢な別荘の建築が次々と
進められました。
その際、当時の人気建築家であった
アンドレア・パラディオにそれを
委ねるのが、一種のステイタスともされ
川側を大きくエントランスとして設計さ
れた邸宅の数々が並ぶようになります。
パラディオと定義されたこのスタイルは
その後ワシントンのホワイトハウスの
建築に採用されます。
噴水や神殿などの造形物の指定や建物の
設計には、建築家、彫刻家、画家などの
芸術家の手を加えた美しい建物とするこ
となども指示されていました。
ブレンタの別荘までの渡し船は、精巧に
装飾された3~4つのバルコニーと広い
船室を持つ木造の船で、貴族たちは
ブルキエッロと呼んでいました。
見どころは、数あるヴィッラであり
16世紀ベネチア人が造った水門です。
約10mの海抜差があるベネチア~
パドヴァ間、その川の流れを安定さ
せ、船での往来をスムーズにするため
に考えられたこの水門は
当時のハイテクノロジーです。
船が水門に達すると水門を閉めたり
開けたりして船を持ち上げて、水面の高
さを調整し、船を通過させるシステムで
加えて、水の流れを多方向に分散する為
の派川もいくつかの基点から見ることが
できます。
かつてはカサノヴァ、ガリレオが通い
ゲーテやゴルドーニに賛美されました。
運河沿いにある重要なヴィッラは
パラディオによるヴィッラ・フォスカリ
ティエポロの天井画が素晴らしい
ヴィッラ・ピサーニは、1807年に
ナポレオン1世が購入し、現在は国立
博物館となっています。
ヴィッラ・セリマンのムラーノガラスの
シャンデリアは素晴らしく圧巻です。
「Serenissima(セレニッシマ)」は
晴天を意味する「Sereno(セレーノ)」
の最上級で「素晴らしく晴れている」
ことを表します。
ヴェネチアの崇高さを表す愛称です。